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2009.12.25

Desmosedici RRというバイク

あれから1年...走行3300㎞。
専用のサイトでいろいろなことを伝えられればと
試行錯誤してきた。
写真を撮り、動画を撮り、カスタムもした。

しかし、真実は伝えられない。
乗ったものしかわからないのではない。
”乗りこなせないのだ”
初めの頃は、全てが驚きだった。
何十台とレプリカバイクを乗り継いできたが
どのバイクにもつながる事のない本当に
MotoGPレプリカだった。
唯一近いと思ったのがRS250やTZ250。
市販モデルをもたない純粋なレーサーだ。
パワーがあり、軽量で、全てのレスポンスがいい。
エンジン回転の上がり、ブレーキの効き、切り返しや
倒しこみが現行のスポーツバイクより格段にいい。
カーボンを多数使ったシャーシ・アルミタンク・
マグネシウムホイール。ここまでやれば当然かもしれない。
しかし、Desmosedici RRは市販車である。
公道ではこの軽さゆえに路面状況に対しリニアすぎ
路面のギャップやうねりで跳ねまくる。
やはり”サーキット”がこのバイクを楽しむ
ステージなのだと最近は感じる。
だが、この”サーキット”を走るのに阻むものもたくさんある。
まずは価格だ。これは所有している限り付きまとってくる。
コーナーでバイクを倒しこむとき、立ち上がりでアクセルを
開ける時に脳裏に価格が過ぎる。バイクの価格や
万が一転倒したときの修理代が...
これは他のバイクも一緒だと思う。
ココからはDesmosedici RR特有の問題だ。
まずはタイヤ。
D16RR(Desmosedici RR)はフロント17インチ・
リア16インチを採用している。
現行のスポーツバイクは前後17インチが主流。
という事はハイグリップタイヤも当然17インチばかり。
16インチの設定がないのだ。
タイヤが選べないので専用タイヤしか選択できない。
専用タイヤも悪くはないが200psのパワーがあるので
本来ならばスリックタイヤをチョイスするのが
正解かもしれない。
次にポジション。
かなりバックステップでハンドルも一文字ハンドルのように
広い。かなり体が伸びきる。ステップをもっと前にして
ハンドルを絞りたい。
しかし、アフターパーツでは当然出ていることもなく
スクリーンのように作るとなると大事でコストも計り知れない。
今のポジションではブレーキング時にタンクと股間の間に
10cmくらい空間ができ抜群に効くブレーキを有効に使う事ができない。
今回のもてぎ走行で積んだカメラでサスの動きがよくわかり
セットアップのヒントが掴めてきた。
とにかく、まだまだ煮詰めるところがたくさんある。
9月にFISCOでメーターを振り切り、少々満足していたが
このバイクはこんなものではないのだ。
D16RRを乗りこなそうと思うことは無謀かもしれないが
チャレンジするには申分のないバイクであることは間違いない。
この前のもてぎの走行で2分18秒。
もてぎのコースレコードは
2008年 MotoGP 決勝でCasey STONERが 1分47秒091
同じ年予選ではJorge LORENZOが1分45秒543
ロケットのように走り抜けていく。世界が違いすぎる。
(ピットインするストーナーの脇を行くLORENZO&???)
本物のGPマシンは毎戦開発が進みスリックタイヤ・
カーボンディスクを装備とD16RRとは全く違うが
MotoGPレプリカといういまだかつてない試みを
背負って生まれたバイクである。
本物は買えないがレプリカでも十分MotoGPマシンだ。
2分切りは夢のまた夢だがコースレコードに0.001秒でも
近づけるようGPライダーやファクトリーチームのように
日々努力していきたい。
つづく
次回 傾向と対策?