トルク管理
12か月点検のときに、これでもか!
っていうくらいしつこく見るところがある。
タイミングベルトやクラッチやブレーキなど
専門的なところと思われるが
工業製品の”基本中の基本”ボルト・ナットなどネジ類のトルク管理。
ホイールナットやブレーキ周りはトルクも高くちゃんと締まっていれば
緩むことはないが、トルクレンチを使用しない締付や車種特有の
緩みやすい箇所など、整備頻度や使用状況で、緩むことがある。
1098以降片持ちホイールナットは230Nmなので緩むことはないが
トルクレンチなしで締めると緩む可能性がある。
どんなに速いエンジンでも、高額なキャリパーが付いていても
ネジが締まっていなければちゃんと走れない。
かといってなんでも思いっきり締めれば良いというものではない。
片持ちのチェーン調整時に緩めるボルトは年々トルクが変わってきている。
V4も最初は1199などと同じトルクが指定だったが、かなり肉薄なので
確認したら25Nmから20Nmに変更されている。
他店購入の修理や点検に来た車輌も、1本でもネジの締付トルクに問題があれば
場所や緩み方によって、その車輌の状態がほとんどわかる。
店で売ったバイクは全部見てるので問題なし。ライテックで点検すれば問題なし。
ただ、そのあとお客さんでいじると、ライテック規格外に?(@Д@;
カウルのネジなどは、車種によっては設計上ゆるみやすかったり
ステップ周りもサーキットで何百回もシフトすれば緩みやすくなったりするので
都度確認していけば問題がないが
キャリパーやホイールナットが緩んでいたら、たまたまではなく
今までの経緯が怪しくなるので、そうゆう車輌のネジはほぼ全部見る必要がある。
フロントフォークのアンダーブラケットやアクスルシャフト部の
ピンチボルトは締めすぎていれば一度緩めて規定トルクで締め付ける。
アンダーブラケットは916で14Nm。
(写真は1098。ちょっと指定トルクだと高い?)
昔はスチール製が一般的だったが最近はアルミ(ドカはほぼアルミ)なので締めすぎで国産のようなトルクで締めるとクラックが入ることも。
増し締めまではしなくてよいので、工具をあてて緩んでいないか。
チューニングやカスタムより、お金もかからずすぐに出来るメンテナンス。
最近はPANIGALEも距離の進んでいる車両はフレームのナットが4個のうち1個くらい緩んでいるものも。
サーキット走行車でナットが1個取れていたものも。
幸いエンジンに吸い込みませんでしたが運が悪ければ
吸い込む大きさ。あまりエンジンマウントは緩むものではありませんが
エアクリーナー清掃・交換時には同時チェック。
結構点検で、規定トルクで締めると締まっていくところ。
(1万キロ以上走行車輌)
・エンジンマウントボルト
・サブフレーム固定ボルト
・ステップマウントボルト
・サイドスタンドホルダー(エンジンにつく側)
サーキットなどで頻繁に取ったり外したりしていると特に
・916シリーズ スプロケット側センターナット
(結構手で回るくらい緩んでます)
カスタムパーツ
・社外品ステップ 取付に関する箇所全部 調整ロッド両端のナット
・社外フェンダーレスキット(ネジが多いので)
・社外ミラー やはり何度も動かしていると緩みやすく。
(ロック剤とか使って緩み防止)
割のところはテンションがかかっているので、緩みにくいですが
中にはこの隙間がくっつくまでと思っている人がいるみたいなので
くっつくまで締めたら割れます。
916/999/1098/D16RRのミラーネジは衝撃で折れる構造なので
締めすぎるとここから折れます。
ネジの話だけでも、3日は出来る...(; ̄ー ̄A