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2009.12.01

試練

今回の”耐久茶屋”はある意味耐久だった。
暑い鈴鹿8時間耐久などに比べたら大げさかもしれないが
記憶に残る苦いレースとなった。
今年から5時間と長丁場になり過去の3時間より
マシンントラブルが心配で望んだ”耐久茶屋”
事前の練習も積み、トレーニングもし順調に望んだのだが
それは”突然”やってきた。
朝の車検からスムーズに準備が進みいよいよ決勝レース。
くじ引きでグリットは後半スタートになったものの
第1ライダーのオーナーである王様がスタートダッシュをきめ
その後もバトルを繰り返しながら先行するマシンをパスし
予定通り第2ライダーに交代。

耐久走りで1時間経過して53番グリッドから20位前後まで
ポジションアップ。

”秀吉走り!で耽々と上位を狙う。
そして給油。思ったより消費が少なく少々あふれたが
すぐに拭き取り第3ライダーである自分が出走。
練習で転倒しているのでかなり慎重に走った。
まだ2時間経っていないがコースのいたるところに
転倒したマシンが立てかけてあり、ピットまで押している
ライダーもいた。コース上もオイル処理の石灰のあとが多く
ますますバイクが寝ない(バンク出きない)
それでも自己ベストより1秒オチくらいは保ちたかったので
1周目からプッシュ。いい感じですぐにタイムが上がってきたが
1コーナーから1ヘアピン、そして最終コーナーで
目の前のライダーが転倒していく。
すぐに回避するも失速する間に後続に刺される。
いつもの練習より1周に神経を使うので時間が経つのが遅い。
今回は50分交代。裏のストレートではマシンの状態を
少しでも知る為、油温チェックでデジタルメーターとにらめっこ。
その時、時計も目に入ってくるのでますます時間が長く感じる。
走行して20分すぎたあたりでコースの状態も把握でき
イエローフラッグもあまりでなくなり安定したタイムを刻もうと
バックストレートから最終コーナーへ向かうところで
突然、パキーン!と音がしたと思ったらタコメーターの針が
12000rpmからストーンと一番下まで落ちエンジンストップ。
ストレートエンドだったので後続に追突されないように
ギリギリ端までよけるが頭の中は”真っ白”
そのまま惰性でスポンジバリアーの方へ...
自分で組んだエンジンなのでエンジンストップ時の
音からしてリスタートは難しいとすぐわかった。
それでもスポンジバリア脇をひとりマシンを押していた。
今回は1秒も無駄にしないよう直前の練習でも
給油練習などしてとにかくロスしないようにと細心の
注意を払ってきた。普段は思いっきり走るところを我慢して
耐久走りでで第1・2ライダーが走っていたので
マシンを押している自分がとても虚しかった。
みんなが神経を研ぎ澄まし節約した1秒を
自分がマシンを押している間に使っている気がした。
同じ1秒でもイコールではないのがわかるだけに身に染みる。
さらに色々な事が頭をよぎるがプラスな要因がない。
少しでも早く押して帰りたい気持ちと裏腹に
この位置からピットにもどると3周減算されること、
そしてこのマシンはもう走ることが出来ないと思うこと...
それでも押していた。

しかしマシンはミニバイクなので重くはないが
妙に軽くコース脇を進めることができた。
最終コーナー入り口から1コーナー入り口のゲートまで
どれくらい時間がかかったかわからないがこのとき
自分の時計はすでに止まっていたのかもしれない。

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