サスセッティング
ライディングに興味のある人はDUCATIスーパーバイクを
選択することが多い。
なぜなら、ライダーの高い要求に耐え、対応できる作りをしている。
ライディングに興味がある=走って楽しさを求める。
走る楽しさ=スピードではないが、motoGPライダーのように
華麗に走りたいのは本望だ。
直線は誰でも簡単に走ることは出来るが
バイクは曲線(カーブ)の走りが、他の乗り物と違う。
スキーやサーフィンのように、つねに転倒と背中合わせで
止まっているだけでも、倒れてしまう難しい乗り物。
その分、思い通りにカーブを駆け抜けた時バイクの虜になってしまう。
ただ恐る恐る乗っているライダーや、まだ思い通りに出来ず
悩んでいるライダーも多くいる。
明日、急に思い通りに走れることはないので、走り込んだり練習は大事だが
走るヒントやきっかけは急に見つかることもある。
もちろん、何もしなければ変わらない。
ちょっとしたアクションで流れが変わる。
前置きが長くなってしまったが、DUCATIはパワーもあり
グリップ(最近で言うところのトラクション)するエンジンなので
車体のセットアップがカギを握る。
DUCATIは前後サスペンションはフルで調整できる。
プリロード(バネ)の調整もダンパー(オイル)の調整もできる。
ダンパーはマイナスや3mmの6画レンチで簡単にできるが
プリロードは回すのは少し面倒なのであまりいじられていない。
特にOHLINSのフロントはアルマイトもかかっているので
回すのに躊躇する。今までは紙テープなど巻いて
傷つかないようにしていたが何度もやるのはちょっと
満を持して登場した樹脂製プリロード調整ツール。
SHOWAや電子制御サス1199などは対応していないが
14mmと17mmの2種類が登場。
樹脂なので結構グリグリやっても大丈夫。
お店で販売する中古車も初期設定にするとき重宝してます。
1回転回すだけで、走りが大きく変わる可能性がある。
難しく、考えず、回しやすいのでじゃんじゃん回そう!
えっ?どっちに回す?
左に1回転回す→走る→右に2回転回す(最初の位置から右に1回転)→走る。
ポイントは
・調整時に何回も回さない。
・同時にいろいろ調整しない。(ダンパーやリア)
・頭がこんがらがったら初期設定に戻す。
もちろん、基本整備が出来ていての話。
空気圧・チェーン調整等
motoGPライダーもセットアップあってこそ、あの走りなのだ。
(開幕待ち遠しいがコロナウィルスの影響で、motoGPクラスは
カタールGPは中止で、タイGPも延期)
クラッチレリーズにまつわる話
まつわる話シリーズ化?
(まつわる話は長いんで、この辺で止めときたい(; ̄ー ̄A )
ドカのトラブルトップ3?に入るクラッチレリーズからのオイル漏れ。
メーカーもその辺はわかっているようでいまだに改善を繰り返している。
ただ、改善品を入れる場合何点か注意が必要。
ドカのクラッチ周りは比較的、同じ構造をしているので
2001年以降は当時の品番で注文しても当時モノは来ず、改善品が来る。
古いモデルまで対応してくれるのはありがたいが
関連部品がある場合も多くチョット費用がかかる。
(右が回り止めピン付き)
今回はオイル漏れはしていないがクラッチ操作軽減のため
アエラ製に交換。
昔はピストン丸出しのレリーズだったが、いまはインナー式。
オイルは外に漏れなくなったが、一時期インナーの中でオイル漏れして
クラッチレバーが握れないというトラブル。
この後、リコールや何回か改善して今の形に。
最新のレリーズは中のピストンがロッドにつられて回って
ピストンシールが痛まないよう回り止め仕様。(これは純正品)
古いモデルは、ロッドに回り止めのピンが入ったロッドに交換が必要。
回り止め仕様でなくてもいい場合はそのまんまでいいのだが
漏れやすいのでこうなってきたので出来れば回り止め仕様に。
(回り止めのロッドをホールドするインサートをつけた状態)
新設計されたエンジンのパニガーレは
レリーズからのオイルはほぼ無いが別の問題が。
今までのドカはロッドにエンジンからのオイルを止めるOリングが
2個ロッドの溝に入っていたがパニガーレはエンジンにオイルシールが
圧入されロッドにOリングがない。
このシールはエンジンの内側から入っているのでシールが傷んだ場合
エンジン全バラ(@Д@;
通常はまずシールの破損は起こらないが、整備時にうまく入れないと
破損する可能性があるので、用がなければ外さない。
すでに2件ほどオイルシール破損で作業。
しかし、エンジンバラシなんてコストがかかり過ぎるので
ライテック必殺ダブルビーム?で容易に復旧!
ドカは国産バイクに比べ、まだまだ整備力は必須。