Home > 8月 27th, 2010
2010.08.27

レジェンド 前編

今年の夏は少年期を思い出すような暑さだ。
温暖化で今のほうが暑いに決まっているが当時エアコンないのが
当たり前の時代、顔中汗を流していたころを思い出す。

そんな事を思い出すのも束の間、今日はやけに涼しげだ。
連日の日差しに変わって陽をさえぎる雲のせいか?
標高が高いせいか?
いや、これから始まる物語に登場する人物が冷静だからかもしれない。

1年前に果たせなかった”仕事”を片付けるため男はやってきた。
また同じ結果になろうとも夜を徹してやってきたのだ。

しかし、1年というのは早いもので何も変わっていなかった。
男は焦っていた。
何も変わっていないどころか準備さえ整っていない。
今までは軽く冗談を言って受け流していたが今年は余裕がない。
男はわかっていた。
時速300km。日常ではない速度である事をいつも以上に感じていた。
今日は特に緊張が走る。寝不足だからか?店に仕事がいっぱいあるからか?

そしていよいよコースイン。

記録にこだわりすぎてリズムに乗れない。
1.5kmのストレートがお得意のDESMOSEDICI RRも
集中し切れていない乗り手のため、あちらこちらで走るシケイン。
走行が終わるとかなり自信を失くしている自分に気付く。

「これでいいのか?」自分に問いかける。
「今日はもうダメなのか?」午後にはもう1本走行が...

昼過ぎに睡魔が襲ってきたので何とか仮眠して体力温存と保守的にしていると
仲間からFISCO攻略講習があると誘われ迷ったが参加することに。(賭けに出た)

「このまま帰るわけには行かない!誰のためでもない!」
”記録”も”保存”も忘れ男は”自分自身との戦い”である事をようやく思い出し
ピットロードへ

そして...攻める!

攻める!...こうして伝説は創られていく

後編へ続く