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2012.07.07

バトルオブザツイン(B・O・T・T)2012 JULYへの道 決勝編

そして、ついに決勝のときを向かえた。
まずはスタート。
クラッチミートはうまくやるしかないがとにかく1コーナーはイン狙い。
周囲にはBMW1100/1200やMONSTER1100が固まっている。
こちらも1000ccだが排気量が大きいほうがもちろん有利だ。

ジャンプスタートしないよう、ブリーフィングで言われた”リアブレーキを軽く踏み”
スタート合図の日章旗が降りるのを待つ。
コースクリア!マーシャルがコース内から退去!
エンジン回転が上がる!?
「さすがツインレース。自分の音が良く聞こえん。」
グリップに伝わる振動を頼りに、フラッグが振り下ろされると同時に
クラッチミート!「良くもないが悪くも無い。普通?」と一瞬思うが次の瞬間に脳みそは
1コーナー争奪会議!イン側の2台もほぼ同じミート。インに隙間がない?
というわけでそのままクリアなラインを進入。しかし内側に2台がフルバンク中。接
触や転倒があれば巻き込まれる。
それでも自分のラインはクリアなのでそのままふくらまないよう”且つ”インがはらんで来れないようしっかり今のラインをトレース。
そのまま立ち上がりなんとかイン側のマシンを押さえて前に。S字を加速!1ヘアのブレーキングでインに。
1台抜けるか抜けないかというタイミングでアウトからかぶされ前に出ることは出来なかった。
このままダンロップコーナーを抜け2ヘアピンへ。すでに、このときには縦長の列になっていた。
自分の前には3台の集団が。そして次の瞬間、たちまち離される。
目の前のマシンは予選で4秒47を出していた。というのは後で知った。
0.5秒はバックストレートで離されている気がした。
おいて行かないでくれ~
BOTT(バトル・オブ・ザ・ツイン)ってことを忘れないでくれ~
バトル~しよ~うよ~

店長の嫌いな単独走行を強いられ自分との戦いが続く。
予選後にセットを変えた車体がとても良く単独であるが進入が頑張れる。
しばらくするとブレーキングのたびに前の集団が近づくのがわかる。
集団でペースが上がらないのか徐々に差が詰まってくる。しかしながらこっちもオーバーペースで
追いかけているので腕が上がってきた。もちろん、今何周目なのかなどわからないが周回が
進むにつれ近づいているのは確かだ。
しかし、このパターン。どこかで見た記憶が?

そう、あれは1994年?の筑波ロードレース選手権第2戦での出来事だった...
SP400クラスで周回は15周で残り2周だった。
4位を走っていた自分の目の前にトップ3台の集団が。1コーナーを立ち上がりS字1個目の左を
かすめると集団が1ヘアピンに入るくらいの差だった。
今、考えても残り1周半で追いつく差ではない。もちろん、その時もそう思ってはいたのだ。
このまま4位でもポイントはかなり獲得できた。
それでも、応援に来てくれた人たちに全力の走りを見せたかった。
そして近づく集団を前にあきらめたくは無いという強い意思があった。
15周のレースだが、腕はかなり上がりシビアな操作が思うように行かない。
当時のマシン、タイヤではかなり限界の3秒後半で周回するもライダーも限界だった。
最終ラップの1ヘアピンで前方のマシンにかなり近づき少し早くアクセルを開けてしまった。
そして次の瞬間...
マシンは大きく弧を描くように舞い上がった。フルに沈んだリアサスペンションがグリップを失った
リアタイヤにより大きく伸び大ハイサイドとなった。
もちろん、自分も大きく舞いバイクの上を越えるくらい飛ばされた。1ヘアピンの立ち上がりゼブラあたりまで飛ばされ地面に右手から落ちてしまった。これが大きく現役から退く怪我となった。
(当時のライディングスポーツ?に全カット掲載され”クラッシュキング”の名を冠したこともあった。
もちろん、しばらくのあいだコース上で近寄るものはいなかった。)

苦い記憶が走馬灯のように駆け巡った。
それでも、必死になって攻める。基本、中味は変わっていないのだ。
ちょっと脳みそは寄り道したが、それが効いたかますますブレーキングを遅らす。
そして1ヘアピンでかなり近づいた。

ダンロップで早くアクセルを開けて2ヘアの進入でインを刺す十八番のパターンも年のせいか?
ダンロップでアクセルが開かん。(; ̄ー ̄A  それでも2ヘアの進入でブレーキングを頑張る。
しかし、インに入ることすら出来ず止まらず大きくはらむ。
前の集団もペースが確実に落ちている。バックスストレートで離されても1コーナーで挽回し、1ヘアまでまた追いつく。今度こそは前に出たい。2ヘアに向かってスピードを乗せる。
2ヘアの進入で3台集団の2番目が少し外にはらんだ。そこを3番目のマシンが見落とさず入り込む。しかしそのインをさらに刺す!2台抜き?かと思いきや2番目のマシンがこちらの存在に気
付くわけも無く(たぶん)インに。何とか接触を避けるも結局、曲がりきれずその2台とクロスラインで”おいてけぼり”。

しかしながら、こちらの存在を初めて知らしめることが出来たので、正式にバトル勃発!?
そして、最終コーナーを抜け再びバトル開始!のはずがここでチェッカー。

準備・レース含め、最大限やれる環境の中で、やれるだけのことはやったので充実し
たレースだった。とにかく夢中になって走れた。
これはリザルトからは伝わらないが、現場で応援してくれた人には少し伝わったみたいだ。

いちおうリザルト...

そして次回!(まだ続くのか?(; ̄ー ̄川) 完結編?
出場台数を増やす為に出たレースも終わり、役目を果たしたSS1000DS...
もともと部品取り車になる予定では合ったが、SL機関車のように解体されてしまうのか!?